Q:現在、夫と離婚を考えて別居、話し合い中です。
娘は5歳で保育園に通っています。まだ何も知らず、月に一度夫に会うと
「いつおうちに帰ってくるの?」と聞きます。
今は仕事の都合で別に暮らしていると説明していますが、離婚のことをどのように娘に話せばいいのか、悩んでいます。
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A 離婚のことを話すのはつらいことです。悲しみや怒りや子への申し訳なさが喚起され、話すのを避けたくなるかもしれません。しかし子どもは親の口から聞いて、理解して、安心したいと思っています。なぜお父さんがいないのか、お父さんはどこでどうしているのかという質問には必ず答えましょう。しどろもどろで構いません。精一杯、正直に話しましょう。
子どもには理解するために長い時間が必要です。本当の意味で理解するのは、成人してから、結婚してから、子どもを持ってから、かもしれません。それまではなぜ別れたの?を何度も何度も問うでしょう。たとえ何万回繰り返しても答えてあげましょう。そうしないと、父親のことに触れてはいけないのだと感じて子どもの方が封印してしまうからです。
次のことを繰り返し言い聞かせましょう。「こうなったのはあなたせいではない」「親の愛情に変わりはない」「何があっても大きくなるまで面倒を見るので心配要らない」「一緒に暮らさないけど、あなたにはあなたを愛している父親と母親がいる」と。
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Q:3歳男児がよくうそをつきます。叱るべきか、気づかないふりをするのがよいのか、教えて下さい。
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A うそが他人を傷つける目的ならやめさせなければなりませんが、3歳の子どもにそんなうそはつけません。楽しいからとか叱られるのが怖いからといった理由でしょう。うそというより、作り話をしているのでしょう。
おもちゃが壊れた原因について作り話が始まったら「あーそう、それで?」とよく聞いてやり、話し尽くさせた後に「本当はどうしてこわれたの?」と聞きましょう。子どもが応えられなくても構いません。「お母さんは作り話だとわかっているよ」ということが伝わればそれで十分です。
本当のことを話しやすい雰囲気を作りましょう。怒っている素振りは見せないように。正直に話したらしっかりほめてやりましょう。
9歳頃までの子どもは、現実と空想の間を行き来する不思議な力を持っています。ハリー・ポッターに夢中で「魔法学校に行くから幼稚園には行かない」と譲らない3歳男児に先日会いました。お母さんは困っておられましたがこんな創造的な思考を育てたご両親の力に私は感服しました。うそをつく力を育んだことにどうぞ自信を持ってください。
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Q,息子(小2)は学校ではよく頑張っていますが、家では「疲れた」など甘えてわがままばかり。怒るとキレて暴れるので、機嫌をとって宿題をさせるのもひと苦労です。一体いつまで続くのか、そのうち私がストレスでキレそうです。
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A まず「学校ではよく頑張っている」とあなたは評価しています。うまくいかないことがありながらも、お子さんのよき理解者でいらっしゃるのだとわかります。母親のあなたに「甘えてわがままばかり」という点からも親子関係がしっかりできていることが窺えます。まず自信を持ちましょう。
外では張り切るが家ではだらしない、昼間は強気だが夜は弱気になる、というのは大人も子どもも同じです。日が暮れてくると人は心細くなって、身近な誰かにわがままを言ったり、「どうせオレなんか・・・」と八つ当たりしたくなるものです。
子どもは不安や怒りなどのマイナスの感情を、誰かにくっつくことで整えてもらおうとします。これをアタッチメントといいます。お子さんはその機能を正しく発揮して疲れをリセットし、翌日の英気を養っています。この繰り返しが大事で、そこで育まれる安心感こそが人間関係や社会性を築く基盤になります。
宿題などやるべきことは叱ってでもやらせましょう。乱暴な言動をした時もきちんと叱りましょう。そこで機嫌を取る必要はありません。でも、母親にしか見せない「みっともない姿」や「甘え」は受け入れましょう。それが親子の正しい姿です。
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Q:中1の息子の反抗的な態度に本気で腹がたち、怒り始めると止まらなくなって過去の事までくどくどと言ってしまいます。どうしたらよいのでしょうか。
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A 小学校高学年から中学にかけての子どもは自分の内側のことで頭がいっぱいです。人目も気にしますが、他人への関心ではなく、他人に自分はどう映るかと、結局“自分”のことに意識が集中します。「自分のことしか考えていない」その姿に親はイライラして怒りをぶつけ、子がそれに応戦して、親子の悪循環が始まります。親が怒りを止めればよいのですが、それができない。ならばどうするか。
親の役割は2つあります。一つは叱咤激励して送り出す、血液で例えるなら「動脈」の役割。もう一つは、疲れた子を迎え入れ、心を鎮静させ身体を整える、「静脈」の役割。
相談者の方は動脈の働きがお得意でいらっしゃるようです。これを減らすことを考えるより、そこに静脈的働きを加えることを考えてみてはいかがでしょう。日に三回、朝昼晩1回ずつ、手軽にできる方法です。朝は「おはよう」の後に「ぐっすり眠れた?」を加え、昼は「おかえり」の後に「疲れたでしょ?」を。そして夜は「おやすみ」の後に「ゆっくりお休みね」を加える。たったこれだけで家の中の空気は違ってくるものです。一度お試し下さい。
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Q:中学2年の娘は携帯電話で毎晩夜更かし、最近は昼夜逆転しています。親の注意も聞かなくなり今後が心配です。携帯電話を子どもにどのように与えたらいいのか悩みます。
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A 携帯電話は「安心・安全」にも「不安・危険」にもなり得ます。携帯を与える目的を再確認し、我が家のルールを定めましょう。参考までにうまくいっているご家庭のルールを紹介します。ルール1:携帯電話を自分の部屋に持ち込まない、必ず共有スペースで使用する。ルール2:就寝や起床の時間、食事の時間を崩す使い方をしない。ルール3:この携帯電話は親の持ち物であり、子に貸与するのだから、上記の約束を破ったら返却。1ヶ月間使用禁止。
小中学生にとって携帯電話は、時に凶器に、時に自分を堕落させるものとなります。便利ですが副作用も大きいのです。そのため、子どもの成長を考え高校生までは持たせないと決断するご家庭も増えています。副作用を十分に頭に入れた上で、賢明な与え方を今一度考えてみましょう。
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